古紙回収の歴史は古く、一番古いところでは平安時代にさかのぼり、宇治拾遺物語によって描かれています。今とは形は違っても、かなり古くから古紙回収が行われていたとは驚きです。現在のような古紙回収の形になったのは、昭和の時代にさかのぼります。それまでは一般ごみの収集だけでしたが、資源物といういわゆるリサイクルできるごみが別途設けられるようになります。それから紆余曲折を経て、今のような形になっています。問題点は改善され、必要なことは追加されて変わってきました。
現在、古紙回収を無料でしてくれる業者もいるおかげで、自治体による無料回収を合わせるとかなりの割合でリサイクルされています。それだけ必要なものであるため、古紙回収は無料で行われているのですが、少子化や人口が少しずつ減っているにもかかわらず、なぜか古紙のごみを含めてごみが減っていません。ごみの分別が面倒という人は、古紙だけ別にする行為が面倒らしく、一般ごみに捨てられない理由が気になるようです。どうして古紙がリサイクルされるのかというと、それは森林の伐採を抑制し、環境破壊を進めないためにです。
紙はもとをたどれば木材パルプから作られています。紙が必要になれば、森林を伐採しなければなりません。森林を伐採すれば、地球温暖化などの環境破壊が進んでしまいます。これを抑制するために、無料の古紙回収を行ってリサイクルするのです。古紙を何度も循環させリサイクルしたとしても、再生紙によって作られる製品は商品として問題はありませんし、何よりも無料で回収されたものであるため、低価格で商品が作られます。当然、価格も低価格であるため喜ばしいことばかりです。
日本では古紙回収をすることが当然の流れになっていますが、どのくらいの古紙が回収されているのか気になるところです。調べてみたところ、2019年の古紙とダンボールを合計した古紙利用率は64.4%であり、回収率は79.5%という数字が出ています。古紙の種類も複数あるので、種類によってかなり差があるように感じます。たとえば、ダンボールや新聞紙の回収率は高いようですが、それ以外の古紙は回収率がやや低めのようです。その理由は、回収率が低めになりがちな古紙がまだ一般ごみに捨てられることが多いためです。自治体によっては、古紙を一般ごみで捨てないように注意喚起をしているところもあります。そのくらい古紙回収率を高めたいのでしょう。
